【こどもと大人のぜんそく体質改善レッスン】第ニ回 発作が楽になるケア3つ

東京日本橋三越前にある鍼灸治療室クリスタ
院長の加藤庸子です。

今回は発作時にどう対応するかではなく、「発作が起きていない時にやって良かったこと」を3つご紹介します。

わたしが日常的なメンテナンスとして取り入れて良かったと実感しているのは、次の3つです。
①皮膚マッサージ
②粘膜強化食
③腎ケア
これらはアトピー対策にもなりますので、体質に不安を抱えている方にオススメです。
それでは順を追ってご説明します。

1.皮膚マッサージ

わたしには3人の子供がいますが、長男は0歳児の頃から酷いぜんそく発作で苦しんできました。その頃はまだ鍼灸との出会いがなく、ヒューヒュー音を聞くたびに「ああ、またか……」と軽く絶望していました。彼は幼少期から入退院を繰り返すほど症状が重かったのです。

3人目の子供の出産前にも長男がぜんそく発作を起こしてしまい、わたしが出産に備えて通っていた病院に入院させ、産科と小児科を往復した事を思い出します。

それからしばらくして生まれた末っ子も、見事にわたしの嫌な体質を受け継いでしまい、生後8ヶ月でゼーゼーとぜんそく症状が出てしまいました。

しかし、その時には長男の場合とは決定的に違うことがありました。わたしが東洋医学と出会っていたのです。
末っ子の喘鳴を聞いて、すぐにお世話になっている先生のところに連れて行き、治療してもらったところ、見る見る間にゼーゼーが収まって行くではありませんか。その様子を見て「ほんと東洋医学すげーな」と思い知らされました。

おかげさまで末っ子は1度発作を起こしただけで、その後は一切ぜんそくと縁がなくなりました。連れて行ったタイミングが絶妙に早かったことも、その後発作が起きなかった理由だと思います。あのタイミングじゃなければもうちょっと手こずったかもしれません。ご縁の妙を感じた出来事でした。

この時に末っ子が受けたのは東洋医学式の治療法だったのですが、その東洋医学では「乾布摩擦はぜんそくの特効薬」と言われています。大人ならばタオルを使っての乾布摩擦がいいと思いますが、お肌の弱いお子様の場合は、手のひらの摩擦でもかなりいい結果が出せます。

詳しくはこちらでご紹介しています。
『こどもケア 小児はりってどんなん?最終回』
https://ameblo.jp/crysta-tokyo/entry-12667928026.html

実際に末っ子が治療を受けた時には、ただ全身をなでられただけで、ゼーゼーがすーーーっと引いていきました。
お風呂上がりや朝の着替えのときに、自分で全身をなでまわすだけでもいいので、とても簡単です。

赤ちゃんの場合は、おむつ替えの度にやりましょう。スキンシップにもなるので、お子様の気持ちも落ち着きます。

2.粘膜強化食 長ネギと白ごま

前回の記事にも書きましたが、粘膜強化の主役は長ネギです。
【こどもと大人のぜんそく体質改善レッスン】第一回 体験者による東洋医学のススメ

『薬の代わりとしての食材』
https://ameblo.jp/crysta-tokyo/entry-12356423450.html
この食材については昔からオススメしている物なので、もっと過去の記事を探してみたところ、11年前のちょうど今頃のものが見つかりました。季節的に体調を崩される方が多いので、この時期は粘膜の話を多く書いているのです。

わたしはぜんそくで苦しむ息子のために、毎晩にぼしと長ネギを煮出して味噌汁にしていましたが、前回お伝えしたように、このような効果が見込める食材のエキスは、多めに作って冷凍し、キューブ状にして保存しておくのがオススメです。

『そのイライラにはこれ食べよう② 凍らせて汁キューブを作ります』
https://ameblo.jp/crysta-tokyo/entry-12670857391.html
日々のお食事の際に、スープや汁物に投入して、お好みの味に調えるだけ。
これならば美味しく摂取できて楽に続けられるはずです。

また、粘膜に潤いを持たせる食材として白ごまもオススメです。
日常的に使うならば、消化吸収しやすいすりごまがいいでしょう。
白ごまには肺を潤す作用もあるので、ぜんそく症状と相性が良い食材です。

『肺を潤したいんです!というご質問を頂きました』
https://ameblo.jp/crysta-tokyo/entry-12591135483.html

腎ケア

最後の3つ目は、普段からやっておきたい腎ケアについてです。
現代医学(西洋医学)でいう「腎臓」と、東洋医学でいう「腎」は、全く同じ物を指す単語ではないのですが、働きはよく似ています。

1.「腎臓」が大切な理由

皆さんは腎臓にどのようなイメージがあるでしょうか。
腎臓へのイメージから、多くの方から「おしっこを作る場所」という答えが聞こえて来そうです。

それも正解です。臓器としての腎臓は、血液から老廃物などを濾過して尿を作ります。
この腎臓がしっかり働いてくれないと、老廃物が血液に乗ってしまい、身体のあちこちで悪さをします。
アトピー性皮膚炎やアレルギー症状の緩和に腎ケアが必要な理由がここにあります。

ちなみに、腎臓はウエストラインよりちょっと上あたりにあります。

ヒューマンアナトミーアトラスより

2.「腎」と「腎臓」はちょっと違う

腎と腎臓と、ニュアンスの部分では似ているところも多いのですが、同時に東洋医学と西洋医学との間の、大きな考え方の違いもあります。東洋医学では、腎には特別かつ重要な役割があると考えています。
・発育成長する為の生命エネルギーが蓄えられている
・からだの中の水分の調節をする
・呼吸に関わる
東洋医学では、腎には生命に関する根源的な働きがあり、また呼吸は「肺と腎が協力して行っている」と考えられているのです。

・息を吸いこむがつらい=腎の弱り
・息を吐くのがつらい=肺の弱り
肺と腎の関係性については、このようなルールも存在してます。
この東洋医学ならではの腎の捉え方については、私自身が病人時代に「これほんとにそうだわ!」と、実際に何度も体験しています。

3.腎をケアする方法

では次に、どんなケアをすると「腎」の働きがよくなるのか見ていきましょう。

(A)腎が嫌うことをしない
腎の嫌うことを避けます。栄養を取るとか、ケアをするといった「喜ぶこと」をするよりも、「嫌がることをしない」ことに重点を起きましょう。これは人付き合いのコツとしても大切だと思うのですが、臓器に対しても全く一緒なのです。

なので、自分自身の腎に嫌われないために、まず以下の2つは厳重注意です。
・冷え
・寝不足
腎はこの2つがとても苦手です。

・冷え
これからの季節だと、足首や足の甲、腰回りは絶対に「冷え禁止」です。それと盲点ですが耳も。耳からの冷えは忘れがちなので、特に気をつけてください。外にでるときは帽子やマフラーを忘れずに。寝ているときは窓からの冷気を避けるよう工夫しましょう。
・寝不足
腎は夜にゆっくりと休養したい臓器だと言われています。快適に眠れる環境をつくり、冬場は夏場より早めに休み、朝もゆっくり起きられるように配慮してみましょう。

(B)腎を養う食材をとる
東洋医学的な考え方として、食べ物が持つ性質を重視します。ぜんそく体質が気になる方は、腎の働きを助ける食材を、少しずつでいいので毎日食べましょう。

私が一番オススメしたい食べ物は黒ごま(すりごま)です。それ以外も色々と腎を養う食材はありますが、黒ごまは安く買えますし、振りかけるだけで済むので、非常に楽です。手間がかかる物や、高価過ぎる物は長続きしません。

ぜんそくとのお付き合いは期間が長いものですから、確実に継続できることを、毎日しっかりやり続けましょう。

我が家の三点セット 左から白ごま・黒ごま・乾燥ショウガ

大さじ1杯程度の黒ごまを一日一回摂る。これなら誰にでも毎日できますよね。

その他、果物系ならぶどう、ブルーベリー、プルーンなど。ナッツ系ならクルミ、カシューナッツ、黒豆など。
野菜では山芋やブロッコリーなどが、この時期は使い勝手がいいと思います。

まとめ

腎ケアについてのお話はいかがでしたでしょうか。
今日から毎日やるべきことをまとめます。

・全身の皮膚をなでる/乾布摩擦をする
・長ネギや白ごまをとって粘膜強化
・黒ごま(すりごま)を毎日大さじ1食べる

・身体を冷やさない
・寝不足しない

ともかく粘膜を強化する食材を意識して摂取する。白ごまで肺を養い、黒ごまで腎を養う。
この2つは呼吸器系に強く影響する最強コンビです。
これらは山芋と一緒に毎日摂ると一層腎は喜びます。
長ネギとの相性もいい和の食材ですから、これなら簡単に日々の食事に取り入れられますね。

それと、身体を冷やさないで、しっかり睡眠が取れる環境を作る。
優しく肌を撫でるだけでもいいので、肌への適切な刺激をする。

これが私が「やってて良かった」と実感できた、ぜんそく発作への備えです。
どれも無理なく続けられると思いますので、ぜひ皆さんも参考にしてみてください。

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