【こどもと大人のぜんそく体質改善レッスン】第一回 体験者による東洋医学のススメ

東京日本橋三越前にある鍼灸治療室クリスタ
院長の加藤庸子です。

ご存知ない方がおられるかもしれませんが、患者あがりの治療家です。
そもそも
鍼灸業界に入ったきっかけは、脳血管障害など自身の体調不良からした。

また、実は毎晩ぜんそく発作で呼吸困難に悩まされていた過去あります。
言ってみれば、
自分自身が色々な病気の苦しみと戦うことから、私の治療家としてのキャリアが始まっています。

このシリーズ記事では、リアルぜんそく患者だった私が “苦しんでいた当時やってみて良かったこと”、実体験を中心にお話します。

ぜんそく体質の場合、病院で処方されるお薬で発作をしのぎつつ、それと並行して普段の生活に東洋医学の知恵を取り入れて行くという手法がおすすめです。
処方薬には即効性がありますが、それとは別に長く時間のかかる根本の肉体改善もしなければなりません。
それに向いているのは、漢方などのより肉体への負担が少ない東洋医学です。
この
2つを組み合わせることで、身体に無理なく肉体改善ができ、今と比較にならないほど楽に過ごすことができるようになります。

わたし自身が「もっと早い時期に東洋医学の知識があったら、あれほど長い間苦しい
思いはしなかったのに」と考えています。
もしもぜんそくで苦しんでいる方や、お家にぜんそくを患っているお子様がいらっしゃいましたら、ぜひこのアドバイスを試してみてください。

#1 体験者の私だから言えること


.ぜんそく発作の進み方

痛みももちろんなのですが、呼吸の苦しさは周囲の人間には伝わりにくいものです。特に数値化されたレベルもありませんし、味わっている当人にしか辛さは理解できません。

わたしの気管支ぜんそくはこんな感じで症状が進んで行きました。
ちょっと気道が細くなった感じがする(寝ていられる
この時点では、胸に耳をあてるとヒューヒューという高音が聞こえます。
息が吸いにくい、呼吸のたびに肩が上下する(寝転がると苦しい)
こうなると呼吸音(喘鳴)がヒューヒューゼーゼーに変わり、音が外に漏れ出ます。
息が荒くなり呼吸するたび肩が大きく上下する(寝転がっていられない
多少離れていても聞こえるくらい喘鳴のボリュームが上がり、苦しくて寝転んだ態勢でいられなくなります。

のレベルを超えたら発作の中でも特に 大発作とでも表現すべき状況で、こうなると即病院・即入院となり、点滴を打つなどの治療を受けねば治まりません。

.初期の発作のときに使えるツボ

ぜんそくの発作が起きたときは、みなさん早めにお医者さんを受診されていると思いますが、発作を自覚してから受診するまでの間にできることがあります。それが ツボ刺激です

気道が狭くなってきた感覚が出た時点でぜひ思い出して試して欲しいのですが、このツボは喘鳴がまだ弱いヒューヒュー音の段階だと身体の変化をより大きく感じられます。

わたし自身も、発作が始まり立ての時、このツボには本当にお世話になりました。

『合谷(ごうこく)』
名すぎる場所なのでご存じの方も多いかと思いますが、これは万能選手といえる優秀なツボです。
得意な症状を挙げると、主だったものは以下の通りです。
・目の痛みや疲れ
・歯の痛み
・首肩のこり
・血圧の調整
などなど、この他にもキリがないくらい出番の多いツボです。

わたしが自分の身体に試してみて、合谷への刺激で最も症状が緩和すると感じるのは、「息が吸いにくいとき」です。手の人差し指の骨のきわの凹んでいるところを骨にむかって直角に刺激するのですが、初めてこのツボをうまく使えたとき、気道が開いていくのを感じましたまさにツボに入ったという感覚で、今も忘れることができません。

当院の患者さんには、手軽にその場にある物で対応できるよう、発作時にボールペンや指などで刺激する方法をオススメしています。

3.ぜんそく発作のときやっておきたいこと

辛い発作が始まってしまった場合は、咳き込んで汗をかきますし、栄養補給に難が出ますので、経口補水液を飲むといった水分補給が必要になります。

ただ、発作が進むと飲み込む動作が難しくなりますから、発作との付き合い方が分かっていない小さな子供には、周囲の大人の一工夫が必要です。例えば、水を飲ませるのではなく唇を湿らせたり、ゼリー状のものをスプーンで与えるといいでしょう。

大人になってからの発作は、全身を使って必死に息を吸ったり吐いたりするため、想像以上に筋肉を酷使します。例えるなら、全力ダッシュの後の呼吸の荒さを24時間続けているようなものでしょうか。

よって、発作が長引くと背中の筋肉が耐えられないほど痛みます。わたしはそんなときに、柄の部分が鉤爪状に曲がったタイプのツボ押しグッズで、自分で背中を押していました。

あの頃の、夜中に壁に寄りかかりながらツボ押しする呼吸困難の女には、もう二度と戻りたくありません。

ところが、このぜんそく気管支拡張剤の吸入や点滴で発作が収まると、まるで何事もなかったかのように元気になります。そのせいで、経験のない周囲の人間は不思議な病気だ」と思っていたでしょう。

わたしの当時の夫はまったく喘息に理解がなかったので、それに何よりも精神的なしんどさを感じていた覚えがあります。

そんな最強のアレルギー体質だった私が、今では猫と暮らせていますので、皆さんも諦めずに、日々のやれることから始めてみてください。

#2 腎が喜ぶ食べ物


腎には小豆!

「日々のやれること」の例として、続いて腎が喜ぶ食べ物の話をします。
食べ物を変えると、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の症状も変わります。
レッスンのブレイクタイムとして、気楽にお読みください。

東京駅の八重洲地下街が変わりすぎていて別世界でした。

当院は日本橋三越前にあり、東京駅が徒歩圏内です。のんびり歩いて20分ほどですが、最短距離を進めばもっと早く辿り着くことも。お天気の日にはよい散歩コースになります。

その途中にあるのが、日本橋高島屋そばにある「長門」さん。
ここはさくら通りにある和菓子屋さんで、徳川吉宗公の世から続いているらしく、かれこれ300年だそう。かなり歴史の古いお店です。

しみじみ思いますが、日本橋周辺のお店の歴史は普通より「0の数」が多いですよね。
わたしはここの「切り羊かん」が大好物。触感はねっとり目で、甘みが少ないところが気に入っています。

保存料が入っていないので日持ちはしませんが、だからこそお子様のおやつにも安心安全です。

いきなりの話で「ぜんそくがテーマなのに自分の好きなおやつの話か」と思われたかもしれません。
でもそうなんです、今回は「
好きな食材」の話です。

ぜんそくに関係の深い臓器「腎」は、実は羊かんに使われている小豆が大好き。
東洋医学を元に考えると、ぜんそくやアトピー体質の方のおやつには、ゆで小豆がオススメです。
できたら市販のものより家庭で作るとなおヨシです。

豆は手間がかかると思われがちですが、一晩水につけておいて茹でればいいだけ。
一度に大量に作って、冷凍保存ができるのも嬉しいです。

ただし、味付けはしないように気を付けてください。
ゆであがった小豆には、こんな使い方があります。

甘いおやつに
・蜂蜜かけ
・シロップ&フルーツと一緒に
・きなこ餅に小豆をトッピング
・焼いたお餅にゆで小豆を汁ごとからめて即席ぜんざい
ゆでるときに味付けをすると、結構な砂糖の量を使い、ぜんそくやアトピーの症状に悪影響を与える場合がありますが、味を後足しにすると少量でも満足度が上がります。

おかずとして
・炊きたてご飯に混ぜて頂く
・カボチャの煮付けにトッピング
・豆サラダにトッピング(ゆで卵と和えてもおいしいです)
・カレーにトッピング
などなど、ゆで小豆のいいところはトッピング素材に使えることと、冷凍保存できること。これなら気楽に日々の食卓に出せるはずです。

そういえば、最近知った話題の商品に発酵あんこという物があるそうです。聞くところによると、お砂糖不使用でおいしいらしいですね。腎にも良さそうなので、近く自作にチャレンジしようと思っています。

他にもオススメの小豆を使ったお料理がありましたら、ぜひ教えてください。
腎が喜ぶレシピとしてご紹介しようと思います。

粘膜強化にネギエキス

ぜんそくのきっかけはそれぞれですが、温度差で起きることもあるのは経験者ならご存じでしょう。
以前の私は、寒い日に急ぎ足で外を歩くだけでぜんそくが起きていました。それだけ粘膜に力がなかったんです。
ちょっとした温度差や冷気で発作を起こしていた私が、体質改善に取り組んだお陰で、今やぜんそくとは無縁になりました。

これまでに私がやってきた体質改善の方法をお伝えしましたが、ここではその中でも粘膜強化食について掘り下げます。
アレルギー系の体質改善には、粘膜ケアが本当に大事なんです。

食材で粘膜強化というと、その主役は長ネギです。
長ネギはいつでも手軽に手に入る食材ですから、色々と料理のレパートリーを覚えておくととても役に立ちます。

では、腎の観点から長ネギエキスの取り方についてご紹介していきましょう。

長ネギエキス 濃度★
味噌をとく直前の味噌汁に、小口に切ったネギをひとつかみ入れます。
味噌をといてひと煮立ちしたら完成です。
ネギは食べられるようならそのまま頂きましょう。

長ネギエキス 濃度★★
味噌汁を作るとき、だし汁の中に小口に切ったネギをひと掴み入れて、そのまま3分ほど煮込みます(ほかの具材は適時投入してください)。味噌をといて、ひと煮立ちしたら完成です。

長ネギエキス 濃度★★★★★
この手法はほぼ漢方薬レベルになりますので、写真入りで特に詳しく解説します。

長ネギ1本を小口切りにします。

1リットルの水にネギをいれてから火をつけます。

沸騰したら中火にして15分ほど煮詰めます。

だいたい半分の量になったら火を止めます。(目安は10分~15分)

ネギをこして出来上がりです。
製氷皿で凍らせて保存。

こうして長ネギエキスの冷凍キューブを作っておくと、簡単にお料理に足せて便利です。
たとえば味噌汁を作ったら、その中に凍ったままのキューブを
1つ入れ、加熱して頂くだけ。
たったこれだけの事でも、日常的に摂取しておけば、身体に大きな影響が出るんです。

長ネギエキス まとめ
長ネギエキスには、割と甘みがあります。自然な味ですから、どんなスープに後足しで投入しても美味しく頂けます。
みなさんが想像するよりネギ臭さはあまり感じませんから、カレーや煮物にちょい足しするのもいいと思います。
アイディア次第で様々な使い方が可能です。

また、3歳以降のお子様ならば普通に大人と同じ味噌汁を飲んでいると思います。そうした子供が口にするお料理に「身体に良いエキスを凍らせたキューブを入れる」という発想は、ぜんそく以外でも役に立ちます。ぜひ試してみてください。

毎日の食卓に長ネギエキスを取り入れて、身体に無理なく粘膜強化に励みましょう。

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