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聴覚過敏ってどんな感じなの?
今回は聴覚過敏についてお話します。
当治療室でもよくみかける聴覚過敏。症状や要因はまさに十人十色です。目にみえない症状なので、一般的にはちょっと理解しがたいカラダの状態だと言えるでしょう。
それもあって、自分の子供に聴覚過敏があると、どう対応していいか悩みますよね。
そういった「外からでは分からないお悩み」に、私がお答えしていきます。
なぜならば、私自身が聴覚過敏だからです。
日常生活を送れているので、程度は軽い方(正確には軽くなった)ですが、私の場合は特定の音域と音質が極端に苦手。
「音が脳に刺さる」
「耳の奥にキリが刺さって回される」
そんな感覚になります。
現れるカラダの変化で辛いのは「痛み」で、耳の奥がとても痛くなり、耳の下がこわばってきます。歯が浮いたような感じも出たり、肩が急にこわばったり……。
ちなみに、この症状が起こる時は音の大きさは関係ありません。
ダメな音域は小さい音でも症状がでます。
※あくまでも私の場合です
幸いなことに、苦手な音域と音の種類が限られているので、日常生活でイヤーマフは使用していませんが、耳栓は常備しています。耳栓の材質や大きさや質感があわないと、余計に負担になるので難儀といえば難儀かもしれません。
それが間に合わないとっさの場合は、仕方ないので手で耳を塞ぎます。
耳鳴りも子供の頃からずっとあるので、世の中の人の耳ってみんな同じと思っていました。
でも違った!
そうじゃないと知ったときは、本当に衝撃的でした。
「弱みが強みになる」とは、まさにこういうことですね。
実体験していることが多いので、聴覚過敏が出やすい発達障害のお子さんが抱えているしんどさも、健常な方よりも共有できる部分がたくさんあると思います。
なおかつ、そんな私だからこそ、聴覚過敏の対処法もお伝えできるのです。
聴覚過敏のある子ども「原因とすぐできる対策」
聴覚過敏の出方は十人十色です。
私の場合は特定の音や音質が苦手で、音が耳に鋭く刺さって痛むタイプとお話しました。
自分自身や患者さん達の聴覚過敏の中では、次のような症状が特に多かったと記憶しています。
・すべての音を同じ音量でひろってしまう集音器型
・特定の音が増幅される型
どちらにせよ、どれも痛みを伴い脳の興奮が続くのでとても疲れます。
この厄介な聴覚過敏ですが、様々な原因を解説するより先に、対策からお伝えしましょう。
◇ すぐできる聴覚過敏対策(どんなタイプでもOK)
①耳に入る刺激を減らす
当たり前すぎますが、ともかく耳に入ってくる刺激量を減らします。
定番は、イヤーマフ、ノイズキャンセリングイヤフォン、耳栓(長時間使用はお勧めしないです)ですが、私的なオススメは耳がかくれる帽子とフード付きの洋服です(イチオシはフード付きの洋服)。
その理由は以下
・とっさの時に使える
・洋服だから装着の違和感がない
・帽子と違い室内でも屋外でも使える
・フードをかぶると音量だけでなく音質が変わる
特に小さいお子様や耳穴が小さい方は、耳栓やイヤーマフが苦手な場合が多いので、フード付きの洋服で耳を守ります。
②他の刺激を入れる
「耳の刺激がしんどい!」と感じたら、耳以外の別の感覚を刺激します。
手の皮膚をちょっと痛むくらいつまむのが手軽でオススメです。
③ビタミンB群を摂る
栄養療法からの視点になりますが、ビタミンB群のコンプレックスタイプを摂ると、過敏さが軽減されることが多いです。
◇ 聴覚過敏の原因
続いて聴覚過敏の原因についてみていきましょう。
①耳そのもの問題
内耳にある細胞や筋肉に問題が起こっていて、音の伝達や音量調節がうまくいかないことが原因となっています。
②脳に原因
てんかんや偏頭痛、発達障害により、聴覚中枢に問題が起こっています。
③ストレス
自律神経の乱れによっても聴覚過敏が起こります。
詳しく知りたい方は、こちらの耳鼻科さんのサイトがとても詳しくて参考になります。
耳鼻咽喉科医による聴覚過敏の検査
また、これらの他に原因不明の聴覚過敏もあります。
聴覚過敏の対処法「この3つのツボで過敏を和らげよう」
原因が脳とストレスの場合、鍼灸を施すことでカラダに変化が起こりやすいことは、臨床を通して感じています。
自律神経の調整に対して鍼灸が非常に役立つことは有名ですが、脳へのアプローチも上手なことを是非知っておいてください。
脳繋がりで言うと、ご存知ない方には意外かもしれませんが、実は脳梗塞の後遺症に対しての鍼灸治療も確立されているほどです。
鍼灸治療で聴覚過敏が緩和していくことは、他ならぬ私自身が実際に体験しています。鍼灸治療はカラダ全体を無理なく整えるので、やっておいて損はありません。
という訳で、最後に聴覚過敏の方向けの、自宅でできるお灸についてお話します。
◇ 聴覚過敏への対策 鍼灸治療の可能性
東洋医学で使われているツボは、体の表面からの刺激を臓器や脳に伝える作用があります。
と、具体的なツボの紹介をする前に、事前情報としてお灸についての初歩的な解説をお読みください。
『発達障害のお子様にもオススメ そもそもお灸ってどんなものなの?』
https://ameblo.jp/crysta-tokyo/entry-12706061725.html
ツボの作用や自律神経への働きかけについては小児はりシリーズで書いています。
『こどもケア 小児はりってどんなん?最終回』
https://ameblo.jp/crysta-tokyo/entry-12667928026.html
火を使ったお灸はまだ無理かな?というお子様にはこちらがおすすめ。
『便秘と下痢をツボで整頓 自律神経のバランスを整えてみる』
https://ameblo.jp/crysta-tokyo/entry-12688115308.html
それでは早速、脳や聴覚中枢、自律神経系へ働きかける代表的なツボを3つご紹介していきます。
◇ 尺沢
このツボには高ぶった気持ちをクールダウンする作用があります。
過剰な刺激で高ぶった気を散らすのが上手いツボです。
◇ 照海
自律神経の調節がとっても上手なツボです。
また脳の発育と関係も深いので知育に関してもよい働きをします。
◇ 足臨灸
耳のトラブルに足のツボ!
耳回りの血流を促すのが上手なツボです。
以上、今回は手足にあるツボをメインにラインナップしてみました。これらを先に紹介した別記事にある方法で刺激してみてください(ご自身に合ったやり方をお選びください)。
辛さはゼロにはならないけど、必ず楽にはなります。ツボの作用で興味深いのが、同じツボでも神経が荒ぶっているものはマイルドに、働きが悪いものは亢進させるという特徴があります。是非試してみてくださいね。
私自身が感覚の問題を色々と抱えているので、今後も当事者の立場から、各種過敏に対するケア方法をお話していこうと思います。
https://www.irasutoya.com/ より